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母国語である日本語を深く学ぶ

日本人である私たちは、生まれたときから日本語が溢れた世界で生きています。
ですので日本語を話すために、わざわざ勉強をしません。
いえ、正確には、小学校から高校まで12年間にもわたって「国語」という教科の授業をほぼ毎日受けるわけですから、勉強はしているはずです。
しかしその、現在の学校の「国語教育」こそが、諸悪の根源なのです。

国語教育が意味を成していないワケ

日本人には、国語というのもは教えるものではないという概念が根底にあるようです。
正確には、教えられない、と思っている指導者が大半だと言った方がよいかもしれません。
国語の先生の中には、自分がなぜ国語の問題の答えが分かるのかを分かっていない、という人が多くいます。
それはなぜかというと、先生は感覚で分かるからです。感覚で解いているものを、人に教えるというのは大変です。
例えばリコーダーで今の気持ち音楽で表現してみて、と言われて吹いたものを全く同じように他の人が吹けるように教えるのは至難の業ですよね。
このように、感覚を伝えることが出来ないが故に国語の授業では、漢字をひたすら書かせたり登場人物であるタヌキやよしおくんの気持ちを深く深く掘り下げて考えることに終始せざるを得ないのです。
そしてそのような授業を受けることで、その単元のテストではよい点がとれます。そうするとお子さんも保護者の方も、「国語が得意だ」「特に勉強する必要がない」と思ってしまうわけです。
しかし、その単元でよい点数を取れたというのは、ただただそのテストに出る漢字を何回も何回も練習したからであり、ただただそのテストに出る物語を何回も何回も授業でやったからに他なりません。
国語が得意である、や、日本語のしくみをよく知っている、ということには直結しません。
当然、高校・大学受験やその後の人生において何の役にも立たない、ということです。
そんな教育を、国語教育として12年間もほぼ毎日やっているというのは、莫大な時間を無駄にしているといっても過言ではありません。
それだけ沢山の時間を確保できる学校教育が変わってくれるのが一番良いのですが、学校教育が根本的に変わるには膨大な時間を必要とします。
お子様が小学生・中学生になるまでに変わるとは、到底思えません。
その証拠に、私が25年前に使っていた教科書と、今私の娘が使ってる教科書はほぼ変わっていないのですから。

国語を楽譜で教える

この出口式みらい学習教室を立ち上げた出口汪氏は、このような現在の教育に危機感を覚え「論理エンジン」という国語教育のための、いわゆる「楽譜」を開発されました。
先ほどのリコーダーの例でいえば、感覚で伝えるのではなく譜面に書き出すことが出来れば、みんな同じように吹くことが出来ますよね?
それと同じように国語でも、楽譜があれば、練習することによってみんな出来るようになる、というのが出口式のメソッドです。
それでは具体的にどのようなことをするのかをご説明しましょう。

幼児期から漢字を読めるようにする

出口式みらい学習教室では、漢字教育に重きを置いています。
しかし従来のような、画数の少ない簡単な漢字から習い、ノートにびっしり繰り返し書いて覚える、といったような教育ではありません。

むしろ、書けることにこだわりません。
そして画数や難易度も関係ありません。

身近にあるもの、日常生活でよく目にする漢字から覚えていきます。
例えば幼児期なら、「動物園」「猫」「蟻」「幼稚園」「麒麟」などです。
びっくりするような難しい漢字ですよね?

ではなぜそのような漢字教育を行うのでしょうか。

語彙力を養う

まずは語彙力の問題です。
昨今、子どもだけではなく大人までもが語彙力不足だと言われています。
例えばもともと「あぶない、具合が悪い」という意味で使われていた「やばい」という言葉ですが、
今では「美味しい、美しい、かわいい、嬉しい、すごい、信じられない、都合が悪い、危ない、怖い、悲しい、かっこ悪い、気持ち悪い」など
ほぼ全ての感情表現に使えるといっても過言ではないほど様々な意味合いで使われ、会話が成り立っています。
家庭や学校の仲間たちという狭い集団の中で生活してるうちは、さほど困ることはないかもしれません。
しかし、社会に出たらどうでしょうか?
商談の場で、「この商品はやばいですよ、何がどうってとにかくやばいから買ってください」と言う営業マンがいたらどうでしょうか。
買いますか?買いませんよね。この商品が良いのか悪いのか美味しいのか不味いのか、なにも伝わりません。

漢字というのは、日本語の語彙の中心です。
例えばひらがなの「は」という字はそれだけで意味を持ちませんが「葉」や「歯」はその字だけで意味を持つ言葉として成り立っています。
つまり日本語において、意味の中核を担うものが漢字です。
そのように日本語においてとても重要である漢字を、まだ書けないからと言って言葉の習得期である幼児期に全く学習しないのは、とてももったいないことです。
書けなくても読むことが出来れば、漢字が入った文章を読むことが出来ます。
出口式みらい学習教室では、幼児期に小学校4・5年生までの漢字を読めるようにしていきます。
そうすれば本来平仮名で書かれた絵本しか読むことが出来ないとされている幼児期に、小学校4・5年レベルの高度な本を読めるようになります。
それにより、語彙力・読解力・思考力が自然と養成されていくのです。

助詞の存在を知り、文の意味を理解する

漢字を読めるようになれば助詞の存在を知ることが出来ます。
このような経験はないでしょうか?
「わたしはきょうおかあさんとおとうさんといっしょにおんせんにいきました」という文章があったとします。
全て平仮名で書かれたこの文章、大人から見ればものすごく見にくいと思いませんか?実はこれ、子供にとっても見にくいのです。
だから、お子さまがこの文章を読むときには、「わ、、、た、、し、、、は、、、き、、、よ、、、う、、」と、区切るところも分からずに、ただ平仮名の羅列を読むだけになるのです。
これでは読んでいる自分も聞いている方も非常に分かりにくいですよね。

ですが、これならどうでしょう。
「私は今日、お母さんとお父さんと一緒に、温泉に行きました」
この文章でもしも漢字が読めるとするならば、「私、今日、母、父、温泉、行」と瞬時に意味を理解出来ます。
そして主語を表す助詞「は」を理解し「わたしは/きょう/おかあさんと/おとうさんと/…」と文節に区切って読むことが出来るようになります。
そうなることで、早い段階からたくさんの文章を、意味を理解しながら読むことが出来る、ということになります。

どうやって漢字が読めるようになるの?

ここまで、幼児期に漢字を読めることの重要性を説明してきましたが、果たして平仮名もまだ書けない時期の子どもが、そんな難しい漢字が読めるようになるのか?
と思われるかもしれません。
心配ご無用です。
幼児期の子どもは、画像として漢字を認識し、すぐに覚えてしまいます。
出口式みらい学習教室では、無理に漢字を書かせよう読ませようというようなスパルタ教育は行いません。
写真やイラストをふんだんに使い、意味と合わせて漢字を自然に覚えてしまうようなシステムが整っています。

言葉の規則を知る

そして、論理を理解するために必要なものが「言葉の規則」です。
国語はセンス、感覚で解くものだから勉強しても仕方がない、と思われている人はまだまだ多くおられると思います。
しかしそれは間違っています。
センスなんてなくても「文の要点」「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」という4つの言葉の規則さえ分かれば、誰でも国語の問題が解けるようになります。
しかもセンスで解いている人は、解ける文章のレベルに限界があったり苦手なジャンルだと解けない、ということが起こり得ますが、規則を習得すればどんな難解な文章でも、難なく読み解くことが出来るのです。
ここではその、言葉の規則についてお話します。

①文の要点

さてここで問題です。
「近所の公園に様々な種類のキレイな花が所狭しと咲いている。」
この文章の要点はどこでしょうか?
答えは「花が咲いている」です。
しかし、この問題に中学生でも「キレイな花」と答える子がいます。
パッと見て印象的なところを抜き取って「キレイな花」と答えてしまうわけですが、筆者が一番言いたいところが「キレイな花」でないことは言葉の規則が分かれば一目瞭然なのです。
どんなに長い文章でも、主語・述語・目的語が文の中心であることさえ分かっていれば、迷うことはありません。
これが分かることによって筋道をたてて物事を考え、発言することもできるようになります。
先ほどのように「キレイな花」と答えてしまう子は、普段から文章にとりとめがなかったり聞かれたことに単語で答えることしか出来ません。
難解な文章を要約することはもちろん、自分の考えを他者に分かりやすく伝えるためにも、文の要点を知るというのはとても重要になってきます。

②イコールの関係

次にイコールの関係ですが、これは「具体と抽象」を理解するという事です。
では、このイラストをご覧ください。
僕・お姉ちゃん・弟・お父さん・お母さん・おじいちゃん・おばあちゃんのイラストです。

「家族」という言葉でまとめられるということを知っていれば「これは僕の家族です」と説明することが出来ます。しかし知らなければ「これは僕とお姉ちゃんと弟とお父さんとお母さんとおじいちゃんとおばあちゃんです」と言うしかありません。当然大人であれば、これらは「家族」とまとめることが出来ます。しかし、これこそが抽象の概念なのです。
そうです。大人が「無意識」で使用している家族という単語は実はこの一枚のイラストを「抽象化」したものなのです。
しかしながら、使用している本人でさえ家族という言葉が抽象化していると知らず、もちろん抽象の反対語である具体を意識しません。これこそが国語はセンスと言われるゆえんなのです。
何度も繰り返すようですが、国語はセンスではありません。「論理」です。
「具体・抽象」は、将来どんなに難解な文章でも筆者が最も言いたいところを探し出すことが出来るようなるために、必要不可欠な概念です。
この具体・抽象の概念をご自分のお子様に論理的に説明できる人がどのぐらいいるでしょうか?なかなかいないと思います。かくいう私も少し前まで説明できませんでした(笑)

まとめると何になるか、詳しく言うと何になるかというのを行き来することで世界を言葉で整理することが出来るようになります。

 

③対立関係

具体・抽象と同じく「世界を言葉で整理する」ために必要不可欠なものが「反対の言葉」です。
例えば上のイラストで、 僕とお姉ちゃんと弟(具体)=子ども(抽象) それに対して(↔) お父さんとお母さんとおじいちゃんとおばあちゃん(具体)=大人(抽象) ということが分かれば、より深く世界を理解することが出来ます。

出口式みらい学習教室では、まずは単語から繰り返し対立関係を学び、徐々に文章へと発展していきます。

④因果関係

物事が起こる時には、必ずその理由があります。
AがあったからBが起こった
Bが起こったのはAがあったからだ
これが因果関係です。
因果関係の力は自分の主張をしっかり表現するための必須能力なのですが、往々にして日本人はそれが苦手です。
「人参がきらい」という子どもに「なぜ?」と聞くと、「きらいだから」という答えが返ってくることが多々あります。
欧米では小さい子でも必ず自分の意見の後に「because」と理由を付けます。それは多民族文化であるということが起因していると考えられます。
日本のようなあうんの呼吸、察する文化というものがありません。お互いに理解できない人たちが共存しようとするので、子どもの頃から生きていく武器として言語の習得をせざるを得ないのです。
日本もこれからはグローバル社会です。察してもらう文化など通用しなくなる世の中で、因果関係の理解、そして因果関係を説明する力というのは非常に重要です。

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