電話での問い合わせ

教材の訪問販売の営業マンの方、次は是非うちに営業しに来てください

      2020/02/28

先日大変興味深い話を聞きました。
あるご家庭のチャイムが鳴り、営業マンが訪ねてきました。
中学生を対象としたテストを受けませんか?とのことです。そのテストは1500円で受講することができ、偏差値や弱点などが判定できるそうです。
まあ安いし、子供も受けてみたいって言ってるしテストだけ受けてみようかな。と思い、テストを受講しました。
結果が出たので、ご報告のためにお伺いさせていただきたいのですがとの連絡が。
当然、お金を払って受けたので結果はちゃんと聞きたい。
来てもらったのですが、説明はそこそこに「教材販売」の話に移行。
ん?と思ったのですが、いったんそのまま説明を受けることに。
そしたら、前置きが長い長い・・・・・・・
塾に通うと三年間でいくら、家庭教師ならいくら、通信教育ならいくら。。。
そして今から紹介する教材がどれほど優れているかの紹介。。。
かいつまんで説明すると、学校の先生は教科書の教科書があり、その教科書にはどこがポイントでどこがテストに出やすいか、そしてどのように教えたらよいか。
ということが書いてあるそうです。そしてこの教材はその教科書をもとに作られている、要は「テストに出る箇所を詰め込んでいますよ」ということが言いたいのです。
しかも勉強する時間は増やさなくてもよく、この教材をテスト前にするだけで大丈夫!ということを言っているのです。
そしてついに価格の発表です。なんと「約60万円」とのこと。
たった、数十ページの紙が60万円。とはいえ、今まで散々高いものを聞かされてきたのでそれでも多少安いんじゃない?
これならうちの子でもできるんじゃない?と思ってしまうほどの営業トークのうまさ。
そして極めつけは、結果を聞いてもらうときは旦那様もご同席お願いいたします。と言われていたこと。
それによりその場で即決させてしまおうという魂胆。さらに、その教材はすばらしいものなので「アフターフォローも無し」ということも発覚。
そのご家庭はなんとか契約せずに済んだのですが、あまりの話の上手さと、4時間にも及ぶ勧誘に疲れて面倒くさくなってきたのもあり、かなり心が揺らいだとのことでした。

話を聞いて、本当にびっくりいたしました。
驚愕する点が3つもありました。

情報の不足

1つ目は、塾に通っておらず家庭教師を付けたことがないご家庭には、本当に「知っておかなければならない情報」が届かないということ。
まず、通常模擬試験は正確な結果が出るまでに2.3週間かかるのですが、この訪問販売で受けた模擬試験は3日で結果が出たという連絡があったそうです。びっくりしますね。果たしてどんな模擬試験だったのでしょうか?会社内で結果にいくらでも細工を加えられるような模擬試験なのではないかと想像してしまいます。
そして中学生が受ける模試では順位、偏差値、志望校への合格率、弱点、などすべてが記載されていて当然なのですが、それを知らなければ、この会社はこんな情報まで教えてくれるんだ!と感激してしまうでしょう。
塾講師をしていればそのようなことは知っていて当然なのですが、なにぶん学校の試験では示されないものばかりなので、保護者のかたは知らなくても仕方がありません。
私たちが中学高校のときは順位までは正確に出ないものの、偏差値から合格判定までもちろん出ていました。しかし現在の学校教育ではそれを出すことはタブーとされているのでしょう。
そして恐るべきは、そのような学校では教えてくれないことを、ひとつひとつ丁寧に説明してもらえると、もしかしてこの営業マンはすごくいい人なんじゃない?
という効果を生むことです。そしてその効果が一度発揮されてしまえば、その後にされる「高額な教材」がとても良いものに見えてしまうことは想像に容易いことです。

目先の点数だけが良ければそれで良いのか?

2つ目は、教材ひとつで、しかも試験前にやるだけで点数が取れる。というありえない話を営業マンがすること。
”水は低きに流れ、人は易きに流れる”という言葉はご存知でしょうか?
水が自然と低いほうに流れるように、人は安易な方を選びがちであるという意味です。
どういうことかというと、そりゃあ人間楽をしたいので勉強時間は短いほうがいい!と思うに決まっています。
そこに、今まで説明されていた教材の素晴らしさが加わり、たった少しの時間で大丈夫!と思えるかもしれません。
しかしながら、私は塾講師として言いたいことがあります。
そんなに甘い話はありません。
まず、その素晴らしい教材とやらからいきましょうか。
学校の先生というのは、たしかに指導要綱というものがあり、それに沿って授業を進めていきます。
いわゆる、先生のための教科書とでもいうべきものです。
そして、そこにはポイントとなるべきことは書いてあると思います。ここまでは正しいと思います。
「テストに出る」箇所の件ですが、これは近年では断定することは出来ないと思います。
十数年前ならいざ知らず、現在教育はどんどんと変化していっています。その一つが以前もお話したことがある大学入試センター試験です。
今回は割愛いたしますが、マークシート方式であるセンター試験に記述式を導入しようというお話です。
記述式になれば「自分で考える」ことが重要となり、当然そのために学校のテストも記述式が増えてきています。
そして、その記述式はどこが出るか?ということを断定することは出来ません。なぜなら、人が「なぜ?」と思うポイントが問題になるからです。
要するに設問は無限に作ることができるということです。
以上の点から、テストに出る箇所を断定することは出来ないと考えています。
そして、これよりもさらに重要なことが、「テストに出る箇所」がわかって点数が取れる。そうして得た点数に意味があるのか?ということです。
塾講師や家庭教師などを長年していれば、どの箇所が比較的出やすいか。などは分かってくるものです。
では、その箇所を教えて点数をとれたとして、では次のテストではどうするでしょうか?もっと先の高校入試ではどうするのでしょうか?
さらに踏み込んで、大学入試では?もっともっと言えば、入社試験ではどうするのでしょうか?
そして、そのアドバイスする人がいつまでもいる保証はあるのでしょうか?
正直言って、テストに出る箇所だけ勉強しても全く意味がありません!!
勉強というのは、なぜそうなるのか?ということを自ら考え、答えを出すことです。
そして、それができないと中間期末考査はもちろん、自己診断テスト、ひいては高校入試に対応できるわけがありません。
今の学生は、本当に自分で考えることが苦手です。その学生に対し、今よりももっと考えることをせずにこの教材だけやればいい。
などということを言うことを本当に、本当に腹立たしく思います。

アフターフォローなし=売りっぱなし

3つ目は2つ目に起因することなのですが、アフターフォローをしないということです。
それは教材が素晴らしいからという言い分なのですが、上記でもお話ししたようにその教材の素晴らしさを否定した今ここも崩れていきます。
それに加えて、塾や学校の先生、家庭教師などはアフターフォローを含めての価格設定です。
それなしに、超高額な値段をつけていることに驚きを隠せません。
私の好きなアニメの中にこんな言葉があります。
「人は何かの犠牲なしに何も得ることは出来ない。何かを得るためにはそれと同等の対価が必要になる。それが等価交換の原則だ」
この超高額教材を買った対価はおそらく後悔の念です。私はこの教材を見ておりませんが、それでもその教材には60万円の価値があるとは到底思えません。
もしも、仮に、素晴らしい教材であったとしても、その後に待つ「何も考えずに楽をするわが子」を見るのにお金を払う気にはなれません。

私は塾というものは「今後の未来を決定付けるもの」にしていきたいと思っています。
テストの点数が良いだけではなく、自ら考えることができて、自ら質問でき、そして「なぜ?」を大切にできる人に育って欲しいです。
おこがましいようですが、素晴らしい未来のための基礎を塾で作っていくのが目標なのです。

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