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新学習指導要領とは

      2018/06/03

今回のテーマは学習指導要領についてです。
小・中学生の子供さんを持つ親御さんであれば気になっているワードの1つだと思います。
とは言え、イメージしにくいかと思いますので、できるだけわかりやすく説明したいと思います。

学習指導要領とは

まず、学習指導要領とは何かという事ですが、おおよそ10年に一度変更される「先生の為の教科書」のようなものです。
このような意図で生徒に教えてくださいね、という、大まかな基準が書いてるあるものを学習指導要領と呼びます。
そして、今年が移行準備期間となり、小学生は再来年度(2020年)から、中学生は2021年度から全面実施となります。
これを「新学習指導要領」と呼んでいます。

新学習指導要領になって何が変わるのか?

さて、では何が変更になったのか?大きく分類すると3つの柱があります。
1.知識・技能の習得
2.思考力・判断力・表現力の育成
3.学びに向かう力・人間性等の涵養(かんよう:少しずつ養い育てる事)

詳しく説明するとキリがなくただ長くなってしまうだけですので、最重要のポイントだけピックアップしていきたいと思います。
・英語の授業は小学3年生からスタート
・プログラミングの必修化
・アクティブラーニングの導入
・カリキュラム・マネジメントの実現
となります。

では、詳しく見ていきましょう。

英語の授業は小学3年生からスタート

社会のグローバル化が進む中、世界言語の英語の必要性は益々高まっていると言えるでしょう。
小学3,4年生で1年間に35コマずつ、5,6年生で70コマずつ授業が増えることになります。
3,4年生の授業では、「聞くこと」や「話すこと」をメインに英語でコミュニケーションできる素地を作るのが目的です。
5,6年生はこれに「読むこと」「書くこと」を加えて、小学校の間に6~700程度の語彙を覚えます。
加えて、中学校の取り扱う語彙も現行の1200程度から1600~800程度に増える予定となっております。
要するに、英語教育が遅れている日本の現状を打破するべく、早い段階から英語に触れる事を始めましょう。という事です。

プログラミングの必修化

ここ最近で声高らかに叫ばれ始めているプログラミング。大手の塾さんではこれを単体で売り出すケースも見受けられます。
ですがまず、プログラミングとは何か。から始めましょう。
抽象的な言葉なので噛み砕いて説明すると、コンピューターにさせたい仕事を人間が書いていく作業。ということになります。
当然、コンピューターは人間が話している言語が理解できないので、コンピューターが理解できる「プログラミング言語」というもので指示してあげるのです。
そのこと全体をプログラミング。と呼んでいるのです。そして、そのプログラムを書く事を「コーディング」といいます。
ここまで説明してやっとプログラミングの必修化に移ることが出来るのです。
この度の新学習指導要領ではコンピューターを動かすための「コーディング」が出来るようにする。という訳ではありません。
では、何をさせたいのか?
答えは「プログラミング的思考」を身に付ける事を目標としているのです。
では、そのプログラミング的思考とは何か?自分が求める事を実現する為に、必要な動作や記号、またそれらの組み合わせを考え、どのように改善すればより意図したものに近付くのかを考える論理的思考。のことをいいます。
重要なことは、小学生ではコーディングを学ぶわけではないということです。
正直、巷に溢れているプログラミング講座というものは、「小さいうちにコーディングを覚えさせないと子供が将来苦労するのではないか」といった保護者の心理に付け込み、よくわからない高額の講座を売りつけている感が否めません。
もちろん、パソコン自体を使えるようになる事は悪いことではありません。しかしながら、少し過熱しすぎているなというのが正直な感想です。

アクティブラーニングの導入

アクティブラーニングとは「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」という事なのですが、簡単に言うと生徒自身が興味を持って学ぶ事。という事です。
先生が一方通行で授業をして、生徒はただ聞いているだけ。ではなく、生徒もその授業に参加できるような仕組みのことを指します。
もう少し砕いて説明するならば、従来の「何を学ぶか」ということよりも「どうやって学ぶか」という事を重視した学習方法になるという事です。
勉強とは少し違った観点で、将来社会に出た際に必要になる要素を育成しようというのがアクティブラーニングの内容となっております。
問題点を発見し、その解決策を今ある知識から考え、そして伝える人に応じて必要な伝え方ができる。
そんな当たり前のことを、当たり前にする為の練習と位置付けられています。
現代人にとって最も苦手な、自己表現をできるように学習していく手段としてアクティブラーニングが導入されるという事です。

カリキュラムマネジメントの実現

カリキュラムマネジメントは実はものすごく説明が難しいです(^_^;)
最も簡単に説明するとするならば、「今までは各々の先生が教育の過程を組んでいたところを1クラス、1学年、学校全体、ひいては社会全体を巻き込み、協力しながら、必要な資質・能力を育んでいきましょうね」という試みです。
その過程で自分たちが行った勉強がどんなことに役立つのか。そしてそれをより良くしていくためには今後何をすればいいか?どんな勉強をすればいいか?というのを生徒主体で考えてみよう。ということにも触れています。いわゆるPDCAサイクルですね。学校の授業をこのPDCAサイクル化していこうという狙いがあるのです。
PDCAサイクルとはplan(計画)do(実行)check(評価)act(改善)の頭文字を取りこう呼ばれています。
PDCAサイクルの詳しい説明はこちらのサイトへどうぞ

まとめ

全てにおいて重要視されているのは、従来までの「何を学ぶか」ということよりも「どうやって学ぶか」ということに重点を置き、「学びの質をあげていこう」という事です。
この新指導要領が完璧に実施され、実現すれば、教室は今よりも確実に生き生きとするのは間違いありません。
しかしながら、今いる学校の先生にしてみればやった事もない全く新しいものなのです。
小学校の英語教育も、プログラミングも、アクティブラーニングも、カリキュラムマネジメントも、全て初耳というレベルなのです。
そして何より心配なのは、もう再来年度からこの新指導要領が実施される事です。
今までの授業にプラスしてこの新しい取り組みをしていくということは、学校の先生の負担は増えることはもちろん、子供達の負担も増えるでしょう。
となれば、今私たちにできることはその大変革を乗り切る力を子供達につけさせてあげる。ただこれだけではないでしょうか。

 

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