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特別入学者選抜について

   

★このブログではあくまでも私個人の意見を書いております。ですので、本当に賛否両論あると思います。笑

今回は全国でも実施しているのがごく少数の「特別入学者選抜=特入」について解説していきたいと思います。
高校側から全く説明もなく、合格基準も明確に示されていないこの特殊な入試のブラックボックスに切り込みます!
分かりやすくご説明するために、特別入学者選抜以外の入試についても簡単にも触れていきます。

岡山県の私立試験・県立一般入試

まず岡山県の入試についてですが、1月末に私立試験があり、2月半ばに特別入学者選抜、そして3月半ばに県立一般入試があります。
私立試験に関してはどの高校も明確に合格点が設定してあり、非常に分かりやすいものとなっております。
一部の募集定員が非常に少ない明誠Ⅲ類や就実ハイグレードなどでも、公表されています。
では、県立入試はどうか。
一般入試に関しては、合格後であれば点数が開示される高校もあるそうです。
当塾でいえば、2018年度に一宮高校に合格した人の点数の得票率は74.5%でした。
一言でいえば、私立試験と県立一般入試に関しては非常に透明化されていると言えるでしょう。

特別入学者選抜とは?

さて、ここからは特別入学者選抜(以下、特入)についてお話をしましょう。
そもそもこの特入というのはなんなのか?ということから説明していきます。
岡山県のHPによる出願の条件というのが、

志願する当学科・コース・類型・分野に対して、興味・関心があり、能力・適性を有し、志願する動機・理由が明白、適切であること

となっています。(結局のところだれでも出願できる、ということです)
肝心のこれ結局何なの?という説明は一切ありません。
なぜ、特別入学者選抜をするのか?そして、なぜ普通科にはこれが適用されないのか?
誰も説明してくれていないのです。おかしくないですか?笑
噛み砕いて、私の解釈で説明するとするならば
「普通科以外で、なにか特色のある科(商業・工業・農業など)は一般入試とは別にもう一度チャンスを増やしますよ」ということです。

歴史の大まかな流れで説明すると、以前は「推薦入試」という学力検査なしで入学できていた時期があります。
その制度が長らく続き、推薦入試という制度が学力低下の要因ではないかと指摘されてきた。という背景があります。
そして、それが2014年に廃止され特入が生まれました。ただただ廃止となるわけにはいかず、無理やり「作り出された」と言っても過言ではありません。(あくまでも私見です)

特入のブラックボックス

そしてこの特入の最大のブラックボックスが「合格基準が不明瞭」ということなのです。

学習塾STAND UPには夏休み頃からこんな電話がかかってきます。
「うちの息子・娘をどうしても、特入で合格させたいんです。先生どうにかお願いします。」と。
そりゃそうですよね。特入の発表は例年2/20前後で一般入試の合格発表よりも一カ月も早いのです。
誰もが早く決定したいですよね!みんなが勉強している間に、少しのんびりすることが出来ますし、ひいては高校の勉強の先取りもできるのです。

ですが、このように言われても私は返事をすることが出来ません。
なぜなら、先ほども書いたように「合格基準が不明瞭」だからです。
ここで合格基準についての話をしたいと思います。

一般入試の合格基準

一般入試では、内申点が200点、当日の学力検査が70点×5教科で350点の合計550点満点にします。
その後面接を(おそらく)点数化し、相関図に当てはめて相対的に判断する。という流れになります。
そして、550点満点ということが明確になっているので取るべき点数もおのずと判断が付きやすいのです。

特入の合格基準

特入は国・数・英に加えて面接or作文or実技or口頭試問での判断になります。
面接や作文は分かりやすいでしょうが、口頭試問や実技とはどのようなものでしょうか?ここに今年度の岡山工業高等学校(機械科)特別入学者選抜実技の問題用紙がありますので載せておきます。

結構びっくりしませんか?ちなみにこの問題にあるようなことを中学校で習うことはありません。
ですので、特入で実技や口頭試問がある学校というのは必ず「対策」が必要になります。
農業科なら農業のこと、商業科なら商業のこと、そして国際科なら全て英語での面接。というようにです。
当塾ができたのは2018年ですので特入の実技や口頭試問対策に関してはまだまだ本当に改善するべき個所がたくさんあるなあと感じています。

前置きが長くなってしまいましたが、ここまですべて説明しないとなぜ合格基準が不明瞭なのかを説明することが出来ないのです。

結論から申し上げますと、特入は「点数では決まらない」ということです。
どういうことが説明していきましょう。
学力検査の国語・数学・英語の点数が出ます、そして、面接なのか実技なのか作文なのか口頭試問なのか各高校によって違いますが、いずれかの点数がおそらく出ます。
通常であれば、その点数の合計点の上位から合格者を出していっているはずです。
しかしながら、特入に関してはこれが当てはまらないのです。
事実として「明らかに学力検査の点数が低いのに合格している人がいる」ということが多々あります。
一般入試であれば、内申点の割合が36%、当日の学力検査が64%となり、しっかりと学力を見ていることが配分からわかるかと思います。
ところが、特入にはこれが通用しません。学力検査よりも、面接・実技・作文・口頭試問の点数が圧倒的に高いのではないかと想像できます。
事実、ある高校に関して独自で統計を取ってみると、学力検査では点数があまり出なかったのに合格している人が25%ほどいることがわかりました。
当然、サンプルも少ないですし、学校によっても変化するとは思います。ですが、単純に学力検査の点数で合否が決まっているとは言い難いと言えるのではないでしょうか?
私は塾をする前に家庭教師としても教鞭をふるっていました。
その時から、特入には煮え湯を飲まされてきました。笑

特入の傾向

さて、ここからはその特入の傾向を考察していきたいと思います。受験生の皆さんは必読ですよ!笑

では、どんな人が合格しているのか?というのを私の統計上でお話ししましょう。
・学力検査で圧倒的に良い点数をたたき出している
・一般入試の学力検査では当確線上の下付近にいるが、一芸に秀でており、独創的な思考ができる人

一点目は説明不要でしょう。読んで字のごとく、点数が圧倒的に良ければやはり高校側としても獲りたいはずです。そこそこに、ではなく圧倒的に、というところがミソです。
二点目は少し説明が必要かなと思います。
噛み砕いて説明すると、一般入試の学力検査では余り点数が期待できない。しかし、ある方面での特別な能力・興味・関心があり、中学時代ですでにそれを極めているような人。
一般入試の学力検査では合格基準に満たないけれど、独特の考え方やひらめきを持った生徒を入学させる。ということです。

ちなみにまったく確証はありませんし、高校側も一切ここに関してコメントも噂も流れてきません。中学校の先生ですら、特入に関しては口をつぐむのが現状です。口をつぐむというよりも、おそらく中学校の先生も全く分からないというのが本当のところでしょう。
ただ、私の今まで受験した生徒の話と、統計と、感覚では間違いなくこの説が有力です。

私は特入のことを「一芸入試」と呼んでおります。笑

「普通の人にはない何か」
これを逃がさないようにする制度、それが岡山県の特別入学者選抜です。

もちろんこれ自体は素晴らしい制度だと私は思っています。
社会人を経験したことある人ならお分かりいただけると思います。「なんでもある程度できる平均的な人」よりも「これだけは誰にも負けない何かを持っている人」のほうが会社・社会に求められていますよね。
それを見事に制度化しているとは思います。
問題なのはそれが全く可視化されていないということです。
試しに 岡山 特入 で検索してみてください。岡山県のHPか、どこかの塾か、まとめサイトの得点の配分しか載っていないと思います。それほどまでに不透明なのです。

ですので、話は戻りますが「特入でどうしても合格したい」という生徒や保護者様に明確な返事が出来かねるのです。
逆に、特入で合格させます。なんていう先生や、学校や、塾があったならばそれは非常に怪しいです。笑
近寄らないようにしましょう。

今後の対策として

全国にごくごく少数しかないこの特別入学者選抜という制度。
岡山ですらまだ6年間しか実施されていないですし、私が取ったサンプルではまだまだ物足りないかもしれません。しかしながら、事実として「学校の勉強はあまりできないかもしれないが、これだけは誰にも負けない何かを持っている人」が合格する傾向にあります。
加えてこの特入の問題の傾向は毎年変更されているといっても過言ではありません。
ですから、対策というよりは準備をするしかありません。
その準備とは、普段から「興味・関心をもち自分の想いや意見を人に伝える」ということです。
その為に、普段の授業の中から「なぜそうなるのか?」という疑問を投げかけるところから始めています。
そしてしっかりとデータを集め、講師並びに塾全体でバックアップしていく。それこそが私たちがやるべきことだと信じています。

学習塾STAND UPは受験塾ではありません。
ですが、これぐらいのことは当たり前にできて初めて「学習塾」を名乗るべきかなと思っています。

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